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- 過活動膀胱
こんなお悩みありませんか?
- トイレが近く、1日に何度も行くようになった
- 急に強い尿意を感じ、我慢するのが難しい
- トイレに間に合わず、尿漏れしてしまうことがある
- 夜中に何度もトイレに起きてしまい、眠れない
- 外出時にトイレの場所を気にするようになった
過活動膀胱とは

過活動膀胱は、膀胱の筋肉が自分の意思とは関係なく過剰に収縮し、急な尿意や頻繁な排尿を引き起こす病気です。尿意をコントロールすることが難しくなり、時には尿漏れ(切迫性尿失禁)を伴うこともあります。加齢とともに発症しやすくなりますが、若年層にも見られる疾患です。
過活動膀胱の主な症状
- 頻尿(日中の排尿回数が8回以上)
- 尿意切迫感(急に強い尿意を感じ、我慢が難しい)
- 切迫性尿失禁(尿意を感じてすぐに漏れてしまう)
- 夜間頻尿(夜中に何度もトイレに起きる)
過活動膀胱の原因
過活動膀胱は、膀胱の神経や筋肉の異常によって起こるとされています。明確な原因は不明ですが、次のような要因が関与していると考えられています。特にストレスや精神的な緊張は膀胱の過敏性を高め、症状を悪化させることがあります。
- 加齢による膀胱の機能低下
- 神経障害(脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷など)
- 膀胱の炎症や感染
- 前立腺肥大症(男性の場合)
- ストレスや精神的な負担
過活動膀胱の診断
過活動膀胱の診断は、主に問診と簡単な検査によっておこなわれます。
過活動膀胱症状質問票(OABSS)
過活動膀胱の症状の有無や重症度を評価するための質問票です。次のような項目に対して点数をつけ、合計点数によって診断がおこなわれます。
合計点数が 3点以上の場合、過活動膀胱の可能性が高いとされ、重症度に応じて治療方針を決定します。
質問項目 | 頻度 | 点数 |
---|---|---|
日中の排尿回数 | 7回以下 | 0 |
8~14回 | 1 | |
15回以上 | 2 | |
夜間の排尿回数 | 0回 | 0 |
1回 | 1 | |
2回 | 2 | |
3回以上 | 3 | |
尿意切 迫感 |
なし | 0 |
週1回以下 | 1 | |
週1回以上 | 2 | |
1日1回 程度 |
3 | |
1日2~ 4回 |
4 | |
1日5回 以上 |
5 | |
切迫性尿失禁 | なし | 0 |
週1回以下 | 1 | |
週1回以上 | 2 | |
1日1回 程度 |
3 | |
1日2~ 4回 |
4 |
尿検査・超音波検査
膀胱炎や膀胱結石、膀胱腫瘍などの他の病気が隠れていないかを確認するために、尿検査や膀胱の超音波検査をおこなうことがあります。
過活動膀胱の治療
過活動膀胱の治療は、生活習慣の改善から薬物療法、リハビリテーションまで多岐にわたります。
生活習慣の改善
- 水分摂取の調整(過剰な水分やカフェイン、アルコールを控える)
- 規則正しい排尿習慣をつける
- トイレの位置を事前に確認し、外出時の不安を軽減する
膀胱訓練
膀胱の容量を増やし、頻尿を改善するための訓練です。トイレに行くまでの時間を少しずつ延ばしていくことで、膀胱の過敏性を抑えます。
骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋群を鍛えることで、膀胱のコントロールを改善し、切迫性尿失禁の症状を軽減できます。特に女性の産後や高齢者に有効です。
薬物療法
抗コリン薬 | 膀胱の異常な収縮を抑える |
---|---|
β3受容体作動薬 | 膀胱の筋肉をリラックスさせ、尿の貯留量を増やす |
漢方薬 | 体質や症状に応じて処方されることもある |
服用する薬によっては口の渇きや便秘といった副作用があるため、医師と相談しながら適切な薬を選ぶことが大切です。
過活動膀胱は治る病気なのか
過活動膀胱は、適切な治療をおこなうことで改善が期待できる病気です。治療方法は、年齢や症状の程度、原因によって異なります。過活動膀胱の治療には、生活習慣の調整、トレーニング、薬物療法など、様々な方法があります。症状に合った治療をおこなうことで、日常生活への支障を減らし、快適に過ごせるようになります。
若い方の場合
生活習慣の見直しや膀胱訓練、骨盤底筋トレーニングなどのセルフケアをおこなうことで、大きく改善するケースが多く見られます。
高齢の方の場合
加齢によって膀胱の機能が低下することが原因となるため、生活習慣の改善に加えて薬物療法を併用しながら症状をコントロールしていくことが一般的です。
前立腺肥大症を伴う男性の場合
前立腺が大きくなると膀胱への影響が強まり、過活動膀胱の症状を引き起こすことがあります。この場合は、前立腺肥大症の治療をおこなうことで、尿の流れが改善し、過活動膀胱の症状も軽減することが期待されます。
頻尿でお悩みの方へ

「トイレが近い」「突然の尿意で不安になる」「夜何度も目が覚める」などの症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診することが大切です。日常生活に大きく影響を与える病気ですが、適切な治療で改善が見込めますので、一人で悩まずにまずはご相談ください。