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糖尿病治療における栄養指導の重要性

糖尿病の治療では、食事療法と運動療法が基本となります。必要に応じて薬を処方し、血糖値を正常範囲にコントロールします。
当クリニックでは、患者さまがより健康的な生活を送れるよう、管理栄養士による栄養指導にも力を入れています。
血糖値のコントロール目標
血糖値の管理で特に重要なのが、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。この値をもとに、医師・看護師・管理栄養士が連携し、患者さまに最適な治療と栄養指導をご提供します。
糖尿病治療の目標は、年齢や病歴、合併症の有無、家庭環境などを考慮し、個別に設定されます。
目標 | 血糖正常化を目指す場合 | 合併症予防のため | 治療強化が難しい場合 |
---|---|---|---|
HbA1c値 | 6.0%未満 | 7.0%未満 | 8.0%未満 |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
糖尿病における食事指導

糖尿病の食事療法では、単にカロリーを抑えるだけでなく、栄養バランスを考えることが大切です。適切な食事習慣を継続できれば、過度な食事制限は必要ありません。
食事指導のポイント
適正なエネルギー量の設定
- 身長から標準体重を計算
- 身体活動量に応じた適正カロリーを設定
ライフスタイルに合わせた指導
- 仕事や生活習慣を考慮した献立提案
- コンビニ食や外食の選び方アドバイス
食事の順番を工夫
糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐための食事の順番をアドバイスします。
野菜
汁物
たんぱく質(肉・魚)
炭水化物(ご飯)
食べ方の工夫
- よく噛んで食べる
- 腹八分目を意識する
- ゆっくり食べることで食べ過ぎを防ぐ
適正エネルギー量の計算方法
1.標準体重の計算
標準体重(kg)=
身長(m)×身長(m)×22
2. エネルギー摂取量の計算
エネルギー摂取量(kcal)=
標準体重(kg)×身体活動量
3.身体活動量の目安
活動量 | 1日の目安 |
---|---|
デスクワーク中心 | 25~30kcal/kg |
立ち仕事が多い | 30~35kcal/kg |
力仕事が多い | 35kcal/kg~ |
4.計算例
実際に身長180cm、デスクワーク中心の人を例に計算をしてみましょう。
標準体重=1.8×1.8×22=71.28kg
エネルギー摂取量=71.28×25=1,782kcal/日
高齢者は筋肉量を維持するため、適切なカロリー摂取が必要となります。
食事療法の注意点
合併症のある方は、通常の食事療法に加えて、特定の栄養素の調整が必要になります。
①脂質異常症(高脂血症)のある方
- エネルギー摂取量を抑える
- 飽和脂肪酸(動物性脂肪)や糖質の摂取を減らす
- 1日あたりのコレステロール摂取量を300mg未満に抑える(マヨネーズや揚げ物の摂取をひかえましょう)
②高血圧のある方
- 塩分摂取を1日6g未満にする
- 塩分の多い食品(漬物・加工食品)を控える
③腎臓病(糖尿病腎症)のある方
- タンパク質の摂取量を調整
- 腎機能の状態に応じた食事管理が必要
当クリニックの栄養指導について
おおしま糖尿病・甲状腺クリニックでは、薬に頼るだけではなく、生活習慣の改善を重視した治療をおこなっています。患者さまお一人ひとりに合わせた栄養指導をおこない、健康的な食習慣をサポートいたします。管理栄養士による栄養指導もおこなっておりますので、食事に関するお悩みや疑問があれば、お気軽にご相談ください。
- 生活スタイルや食習慣に合わせたアドバイス
- 食事記録から食事内容を分析し、改善ポイントをご提案
- 定期的なカウンセリングで、食生活の改善をサポート